haruka's profileたわわなわたし2PhotosBlogListsMore ![]() | Help |
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February 03 7つの「八雲」先日、お茶のお稽古の席で、ある人からこんな質問を受けた。 島根にある出雲大社に、60年に一度しか参観できない「八雲の図」というのがある。http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080308/acd0803082121012-n1.htm この八雲の図には、「八雲」なのに、7つしか雲がない。それがどうしてなのか、諸説あるが分からない。古典専門のあなたは、何かご存じないだろうか、と。その人は、取材か何かで昨年出雲大社へ行き、それで興味をもったそうだ。 へえ~。八雲って8つの雲、という意味だったのか。心の中で、そこが妙に引っかかった。記紀の世界だと、八が神聖な意味のある数字で、たくさんあることを表すイメージがあったからだ。ただ、質問を受けたとき、「八雲=8つの雲」という前提での質問だったので、その引っかかりをうまく説明できなかった。最近、「水村(みずむら)美苗」を「みむら」と誤読していたことに気づいた、という出来事があったので、慎重になっていた。 でも、おもしろそうだったので、うちでいろいろ調べてみた。以下、その結果報告である。 八雲がなぜ7つなのか。 インターネット検索によると、「出雲大社の「八雲の絵」はなぜ7つしか無いのに八雲なのですか?」などのQと、それに対する答えがいくつか見つかる。 (1例:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416587279) しかし、インターネットでのQAは、私が見た限り、すべて、「八雲=8つの雲」という意味であることを前提とした話である。そもそも、「やくも」の意味は本当に「8つの雲」という意味なのだろうか。 8という数字は、古来、8そのものだけでなく、多数の意味としてよく用いられた。「八百万(やおよろず)」や「八つ裂き」などはその例である。古語辞典の中で最も大きい『角川古語大辞典』の「八雲」の項には、「盛んに湧き立つ雲、多くの雲」とある。さらに同辞典の「八雲立つ」の項には、「枕詞。多くの雲が湧き出るの意で、出雲にかかる」とある。 また、有名な勅撰和歌集である『古今和歌集』の仮名序では、「八雲立つ出雲八重垣妻ごめに八重垣つくるその八重垣を」の歌の注として「すさのをのみことは…出雲の国に宮づくりしたまふ時に、そのところに八いろの雲の立つを見てよみ給へるなり」と述べている。つまり、仮名序によれば、「やくも」とは「八色の雲」というわけである。 インターネットで調べたところによれば、出雲大社の八雲の絵が描かれたのは、18世紀中ごろのこと。その時代の人たちが、八雲をどう理解していたか、そこが問題となる。この時代、古今和歌集が出版されていたことを考えると、「八雲=八色の雲」と解した可能性はかなり高いのでは。あの絵は、色彩豊かに描かれている。雲があの配置で7つ、も不思議だが、あの雲のカラフルさも十分不思議だ。 これは、あくまで解釈の一つである。でも、この問題を考える際に、「やくも=8つの雲」という考え方を疑ってみる必要はあると思う。 |
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