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    January 27

    じゃんぷ亭

     先週、大学時代の友人Yと久しぶりに会った。彼が某放送局のある番組を担当していて、その番組のDVDを無理にお願いしてもらうことにしていたのだ。

     彼とこの前会ったのはいつだろう。そんな話をお互いしてみたのだが、覚えていない。たぶん、2000年過ぎてから一度会ったように思うが、定かではない。でも、そのときから彼の風貌は変わっていなかった。彼はサークルの部長で、私もその下で協力していたのだが、あの頃は本当にいろいろあった。サークルの仲間の近況とか、お互いの仕事の話など、尽きることがなかった。仕事の話では、思わぬところで縁がつながっていたりして、協力できそうな場面もあった。サウジアラビアのアラムコという石油会社の話だ。

     その日飲んだのは渋谷の公園通り109の地下、リブロの隣の何とかカフェだ。少々高めだが、ベルギービールがおいしかった。なぜか、私がビール好き、というイメージが彼にあったらしく、ここを選んだとのこと。昔、大学1,2年のとき、サークルの仲間と来たのはいつも渋谷だった。Yと私、もう一人Hというのがいて、この3人が特に仲がよかった。3人で四国を旅行したこともある。その3人で、ある日渋谷の「ジャンプ亭」という居酒屋で飲んだ。6時前ぐらいから店に入ったと思う。そこは、毎日7時にじゃんけん大会があるので有名だった。各グループから代表1名がじゃんけんをして、最後まで勝ち残った人のグループは、7時までの飲み代が只になる、というゲームだ。

     お調子者のHは、7時前に一気に注文した。日本酒、サイコロステーキ(当時のわれわれにはごちそうだ)、などなど。Yは「お前大丈夫か」と笑いながら言っていた。こいつはいつも、笑いながらつっこむ。じゃんけんをするのはなぜか私になった。

     「じゃんけーん、ぽん」

     やるたびに負けた人が座っていく。店員のマイク司会も手慣れたものだ。なぜか私は負けなかった。とうとう最後まで勝ち残ったのだが、今日は大きな団体さんが来ていて、そのグループは人数が多かったので、2名分しか只にならない代わりに、無条件で代表が決勝に出られた。私はその代表と最後に勝負し、勝った。

    「なんかお前、負ける気が全然しなかったよ」とH。「神がかっていたよなあ」とY。私たちはその後何も注文せず、その店には一銭も払わずに店を出た。経済学部のHは得意げに「俺の作戦勝ちだ」などとほざいていた。

     Yも、その店のことをよく覚えていた。が、「あの店、もうないよ」と寂しげに言った。

     結局わたしたちはワインの飲める店に行った。Hに電話をして盛り上がった。まだまだお互いがんばらねば。

    January 24

    雪よ林檎の香のごとくふれ

     東京は初積雪。ちょっとびっくりした。朝から降りやまず。

     とても寒いけど、なぜかうきうきする。そんな不思議な力が雪にはある。

        君かへす 朝の敷石さくさくと 雪よ林檎の香のごとく降れ  北原白秋

     この歌は私の好きな歌の一つ。「林檎の香のごとく」という比喩が、切なくていい。甘酸っぱい。その前の「さくさくと」という擬音語も素敵だ。恋の歌だなあ。ただ、この歌は、ただの後朝の歌ではなく、不倫を詠んだ歌だ。「君かへる」ではなく「君かへす」というところが意味深なのだが。この時代には、密通が罪とされた時代で、白秋はこのとき刑務所にいて、人妻だった相手がやってきて、その人を「返す」ときの歌なのである。そんな奥行が見えると、この歌のロマンチシズムがより一層深く感じられる。

       あらたしき 年のはじめの初春の 今日降る雪の いやしけ 吉事(よごと)  大伴家持

     万葉集の、一番最後の歌。「いやしけ」は、「もっともっと降り積もれ」の意。新しい年の初春の今日、雪が降り積もった。この雪のように、どんどん降り積もれ、よいことが。歌の意味はそんなところだ。昔は、雪がたくさんふると、次の年は豊作と言われた。

     『源氏物語』では、人が亡くなる場面に雪が出てくることが多い。宇治の大君、藤壺など。冬という季節と関係がある。

      暦の上での大寒は過ぎた。立春も間近。この寒さの向こうに春がうずくまっているにちがいない。

    January 14

    大学が終わって

     先週の土曜で今年度の大学の授業が終わった。あとは成績をつけるのみ。土曜の時間がしばらく解放される。

     夕方、友人I に会った。以下に書く内容は、その日の彼への愚痴である。

     大学の授業を今年度やってきて、ちょっと思うことが2つあった。

     ひとつは、大学生が動詞連用中止法の「ない形」の使い方がおかしいことである。難しい言い方をしたが、要は次のような例だ。

        ・私は、テニスをしなく、まっすぐうちへ帰った。

     ひとつの文に2つの動詞がある場合、前にある動詞は、「~て」の形か連用形(「~ます」の「ます」のない形)で一旦止められ、そこに点を打って次のことをいう。「私はテニスをし、うちへ帰った。」というような例だ。その前側の動詞が否定の形の場合、ふつうは(私だけ?)「私はテニスをせず、~帰った。」と、「~ず」の形を使う。それが、なぜか、最近の大学生は、その部分に「~なく」を使うようになった。ほぼ全員、この形を使う。最初はこまめにチェックを入れたが、どうもそういう問題じゃない気がしてきた。みんな間違うのだ。これはもう「間違い」とはいえない。もしかしたらそのうち、私が間違いにされてしまう。この日本語はどうなるのだろう。

     もう一つの思うことは、かなり深刻な問題だ。レポートでの無断盗用だ。

     特定されるとまずいので、あまり詳しくはいえないことを御承知ください。ある回の課題に、1000字書評というのをやらせた。そうしたらある一人が、ひどいものを提出してきた。内容はすばらしい。というか、普段のその学生の作文とは全く違う大人びた論調だ。前半は「ですます」で、後半は「である」体、ちぐはぐな感じだ。私はすぐにぴんときた。

     授業内で、他人の文を無断で盗用した場合単位を出さない、とさりげなくいったところ、くだんの学生が授業後にやってきて、実はきょう提出した作文は、解説などを切り貼りしたものだという。彼に罪の意識はあまりないようだった。だめだと言われて、あわててやってきた、という感じだった。他の学生の中には、自分がその本を読んだ感想が、作者の主張とほとんど区別されることなく提示されていた。一体誰の意見なのか。

     こういうことを考えつつ、また来年度の方針を考えねばならない。

     今年の私の目標の1つは、たくさん読み、書くことだ。このブログにも反映させたい。

    January 08

    方言と歌と

     今朝、電車の中で、馬場につく直前、ふと思いついた。『源氏物語』のなかで、男女が真剣に会話するとき、和歌の応酬がよくあったな、と思い出した。昨日書いた「のだめカンタービレ」の話の中の方言は、言ってみれば『源氏物語』の中の和歌の役割と似ているな、と考え付いた。

     ちなみに、同僚から「のだめ」のマンガを借りて読み始めた。

    January 07

    のだめカンタービレ

     新年早々パソコンを新調した。2002年に買ったノートパソコンが起動時にうなり始めたのは12月の中頃。あまり気にもとめていなかったが、年末パソコンについての本を立ち読みするうち、それがハードディスクの壊れる前兆と知った。しかも、パソコンのハードディスクの容量を調べたら、空きが15%ぐらいしかなく、明らかにヤバイ。道理で起動やその他のファイルの動きが悪いわけだ。壊れる前に、決心して新規購入を決めた。

     今まではノートパソコンを買っていた。もしかしたら、持ち運んで使うことと省スペースを考えてのことだ。しかし、家で使うことを考えて画面の大きめのを買ったら、案の定持ち運んだことはほとんどなかった。思い切って、性能のいいデスクトップを買うことにした。そして、前々から考えていた、テレビと一体型のパソコンにした。うちのテレビは1990年に購入したかなりの年期ものだ。私はものによっては物持ちがかなりいい。前のパソコンも5年以上使った。私の身の回りのもので一番物持ちがいいのは時計だ。忘れもしない中学の入学祝いだ。確か、父か父の父(つまり祖父)が買ってくれたものだ。松山市銀天街の中島時計店。そこの息子が塾での同級生で、一緒に同じ中学に入学した。2年前に帰省したとき、その店はもうなくなっていた。この時計より古い付き合いの友達は、今は一人だ。

     話がそれてしまった。とにかくテレビが古くて画面の形も接続も地上デジタルに対応しておらず、ブラウン管があるので場所もとる。それでテレビ一体型にして部屋のスリム化を図った。

     部屋はかなり片付いた。今年の目標は、そうじをすること。ただ、新しいパソコンに移行するにあたり、インターネットの接続やパソコンのデータの移し替えをしなくてはならない。これがまた大変だった。自分が持っているUSBメモリが、非常に古いもので100MBしか入らず、写真や音楽のデータを移すのにやたら時間がかかった。というか、これはあまりに時間の無駄だと感じたので、新しいUSBメモリ(2GB)を買った。また、メールのデータの移動も大変だった。まず、私がBeckyというちょっと変わったメーラーを使っているので、どうやって移すのか分かりにくく、また、データだけでなくソフト自体も移動させるので、動き具合のチェックなどにも時間がかかった。そのほか、プリンタの接続も、WINDOWSがビスタに変わったおかげで難儀したが、一番大変だったのは、インターネット接続だった。前のパソコンはノートだったので、無線LAN接続だったのだが、ウインドウズの進化やデスクトップに変わったことで、無線LAN接続の設定がかなりわかりにくかった。何度やっても成功しなかった。どうも、私の控えていたサーバーのパスワードが違っていたようなのだが、実は今も接続がややこしい。起動のたびにややこしい接続の手続きをふまねばならない。でもようやくこうやって記事の投稿もできるようになった。

     というわけで、お正月はほとんどPCに時間を費やした。本当は漢字検定の勉強をしたり、積読状態の本を少し減らすべく努力したりしたかったのだが。唯一の娯楽が、タイトルの「のだめ」だった。

     2日と3日にあった再放送をほとんどすべて見た。4日と5日のスペシャルも見た。上野樹里が、思った以上によかった。こんなラブストーリー、ありえないな、と思いつつも、何か青春の甘酸っぱさのある味わい深い物語だった。人物一人一人が、端役にいたるまで丁寧に描かれているのがよかった。やっぱりマンガ原作はしっかりしている。

     「のだめ」に詳しい同僚によると、マンガの擬音語・擬態語を上野が絶妙に再現しているそうだ。あまり気づいていなかった。それより私が気になったのは、方言だ。のだめは北九州出身、という設定で、たま~に方言が出る。物語の途中まで全然方言は使われず地方を感じさせなかったのだが、再放送全11話の9話ぐらいでふっと出てきた。それは、のだめが恋してやまない先輩に、本気でぶつかる場面である。いつもは、でれでれしながら「せんぱ~い」と間の抜けた話し方をしているのだが、先輩が留学を決心できずふらふらしているのを見て、怒ったように「けつのちいさかおとこばいね」と言うのである。本当はのだめは先輩に留学してほしくないはずだし、先輩ははっきりと言わないけどのだめが好きになりかけていて、また二人の周りの仲間たちとの別れを気にして留学をためらっている。そこでの一言だ。スペシャル編でも、お互いピアノの練習や演奏旅行ですれ違いが続き、別れそうになるところで、珍しく先輩に対してのだめが怒って方言が出た。

     他にも面白いところがあったが今日はこの辺で。みなさん、今年もよろしくお願いいたします。

    January 01

    おおそうじ

     先週からパソコンの調子が悪く、このブログも滞っている。

     パソコンが起動するとき、「ガガガガガ」とかなりうなるようになった。あまり気にしていなかったのだが、年末にパソコンの大掃除をしようと思って買った本に、ハードディスクに寿命が来るとうなりだす、と書いてあった。よく考えたら、もうこのパソコンも5年以上使っている。その間、よくも無事だったことだ。ハードディスクの寿命も約5年。そろそろということか。空き容量も、20ギガのうち4ギガぐらいしかなく、動作環境としては劣悪だ。

     部屋の中も大掃除。昨日からやっているが、なかなか進まない。捨てるものがたくさん出た。というか、捨てる決心をするのに時間がかかる。写真を見ては、手紙を読んでは立ち止まる。大学で初めて教壇に立ったときに学生からもらった手紙が出てきた。古代和歌と物語について自由に講義したのだった。「先生が大好きな歌について、その面白さをこれからも伝えてください」とあった。初心を思い出し、涙が出そうになった。

     今、除夜の鐘が聞こえてきた。今年もいよいよ終わり。反省すべき点は反省して、次の年に向かいたい。自分を大切に、仲間を大切に。